日銀が円安を止められない本当の理由

日銀の植田総裁が円安を止められない理由

日本経済はコロナ禍以降、円安が続いています。これはインフレ率が上昇している一方で、金利が同程度に上昇していないことから起こっています。

円安と日銀の緩和政策:

円安は日本の家計に深刻な影響を与えています。日本の多くの消費財は輸入品であり、円安は輸入物価の上昇に直結しています。

コロナ後、ドル円は40%以上も上昇しました。これは基本的に輸入物価の上昇を意味します。しかし、ドル円が元に戻らないため、輸入物価も高止まりしています。また、円はドルだけでなく他の通貨に対しても下落しています。

円安の原因は、黒田元総裁時代から続く日銀の緩和政策です。植田現総裁はこの緩和政策を終了しようとしています。実際、3月にはマイナス金利や株式の買い入れ政策を終了しました。

植田氏の取り組みにより、日本の長期金利は上昇しています。しかし、政策金利自体は0.2%程度しか変わっておらず、金利上昇が十分ではありません。

日銀決定会合での植田総裁の姿勢:

4月26日の日銀決定会合では、植田総裁は金融政策の維持を決定しました。記者会見ではドル円に関する質問が多く寄せられましたが、植田氏は具体的な回答を避けました。

なぜ植田総裁は金利を上げて円高を促すことができないのでしょうか? その理由は、現在のインフレ率が高いというわけではないからです。

日本のインフレ動向:

現在、日本のインフレ率はおおむね2%台で安定しています。しかし、これは日本経済の減速の結果でもあります。実際、個人消費は既にマイナス成長となっています。

日銀はインフレ率が安定している以上、早急に金利を引き上げることができません。むしろ金利を上げるとインフレ率がさらに低下し、景気後退が加速する可能性があります。

結論:

日本経済は金融緩和の影響を受けており、物価は上昇していますが、インフレ率が安定している以上、金利を引き上げることは難しい状況です。金利を上げれば景気後退がさらに加速する可能性があるため、植田総裁の政策が間違っているとは限りません。